5月5日及び19日、第19回CGアニメコンテスト入選作品の上映会が行われた。今回も前回にひき続き、クリエイターによる座談会の模様をお届けする。

CGアニメコンテスト公式ウェブサイト
http://doga.jp/contest/
今回は当日行われた座談会から入賞者の方を記録した。佳作以上が入賞者だが「空想少女」の野山映氏と「おはなしの花」の久保亜美香・井上精太両氏は欠席した。また前回に引き続き使用ソフトを明記してみた。ネトアニでいうところの「動画アニメ」の多様性が分かるかも知れない。作品についての詳細はCGアニメコンテスト公式ウェブサイトの第19回審査結果をご覧頂きたい。その前に作家市・市販市の模様から。
■作家市・市販市
・東京会場



写真左:昨年新設された市販市の今回の出店者は吉浦康裕氏のみで昨年同様「ペイル・コクーン」と御影たゆた氏の「鉄路の彼方」のDVDを販売。
写真中:今回入選の井端義秀氏の「ツキ姉と僕」はDVD版とBlu-Rayディスク版を販売。パッケージも市販されても遜色のない仕上がり。大阪会場でも出店。
写真右:昨年入選の「反重力ブーツで学校へ行こう」のDVDを販売するスタジオぽぷりのコーナーではかみやろん氏の「ルールの原画集」も販売された。



写真左:今年も音楽CD・映像集DVDを販売のメテオール。昨年映像賞を受賞した「モンスターブーツ」も収録されたPIXDVDvol.3も販売。
写真中:アオキタクト氏の「総天然色少年冒険活劇漫画映画ハルヲ」DVD。用意した枚数が完売し、友人の結婚式のご祝儀も賄えた。
写真右:第16回入選の「卵をみつけた話」と今回入選の「カナコさんの話」のDVDを販売するヒロモトアキノリ氏。大阪会場でも出店。
・大阪会場



写真左:今年も出店。昨年「魔法の椅子」で佳作の入地有海氏。そのDVDと「石投君と頭取君」DVD及び石とか石ストラップといったその関連グッズ。
写真中:石川プロ氏。第14回入選「魔法のチョコレート」CD、第16回入選「どっちもメイド」DVD及びイベント販売用の「お父さんの靴」と「恋はヴァーチャルリアリティ」のDVD。
写真右:非売品だが青木純氏は飛び入りで大学の卒業制作展用に制作したDMを配布した。絵柄はもちろん今回入選した「スペースネコシアター」。
【3】クリエイター座談会<入賞編>



| 作品賞:岩野一郎氏「49」(大阪会場) |
| 使用ソフト:3dx Max、AfterEffects、Photoshop |
昨年の第7回アストロデザイン・ムービーコンテスト(注1)でも優秀賞。現在8月にアメリカで毎年開催されているSIGGRAPH2007のAnimation Theatersにも入選している。 |
かまた この作品は非常に素晴らしい作品だったんですけども、制作期間の方が1年半と、かなりまぁ長いんですけども、ただ、どの辺で手間取った…、苦労しました?
岩野 アニメーションをつけるところが一番苦労しましたね。まぁ、ストーリーの中であまり大きいアクションがないんですけど、逆に大きいアクションがないだけに細かいアクションを丁寧につけていかないと作品の良さが出ないかなと思ってまして、なかなか…。アニメーションのところが時間がかかりました。
かまた そういう場合ですと一般的にセリフを使ってしまえば説明はとってもしやすくなると思うんですけども、今回セリフが一切ありませんが、セリフを避けた理由は何かあるんでしょうか?
岩野 一応作るからには世界中に見てもらえる作品にしたいっていう形で、言語に依存しない表現でやってみたいかなというのと、映像だけでどれだけ伝わるかっていうのがどこまで出来るかなっていうのがあります。
かまた それからあの作品を見て、質感が非常に独特だったなと思うんですけども、あの質感はどうやって?何か工夫されたんでしょうか?
岩野 一応あの、全部ポリゴンを展開したUV情報を出力してですね、テクスチャーの情報を出してから、全部を手描きで、絵の具で描いた奴をまたスキャニングして…。
かまた 絵の具で描いた、って、紙か何かに?
岩野 そうですね。画用紙に描いて、それをまたスキャニングして取り込んだんですけども。アナログチックな感じで。
かまた それであのボロボロとした…、画用紙の質感なんですね。
岩野 そうですね。結構画用紙の目の粗さとか、筆のタッチだけとかで作ってますね。
かまた それじゃあ先ほどのお話の中でも海外で通用するってのをおっしゃってましたけども、応募表の方を拝見すると、ポルトガルのコンテストで入選した、っていう風に書かれてますけども、入選…した?
岩野 一応インコンペ(入選)というのか、現地で上映されるという風な感じになってました。
かまた 何故ポルトガルっていうか、よくポルトガルのコンペなんて分かったなっていうか、このポルトガルのコンテスト向けに作ったんですか?
岩野 いや、もっと世界中に向けて出してまして、10何ヶ国出したんですけども、何故かポルトガルだけ、ポルトガルの2つのコンペ(CineEco2006、Cinanima2006)…。
かまた ポルトガル人ウケ…した?
(会場 笑)
岩野 ですね。多分ポルトガル人にはかなり伝わったんじゃないかと。日本人とポルトガル人の感覚が似てるのかも知れない…。
かまた ああ、カステラ!
(会場 笑)
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注1:第7回アストロデザイン・ムービーコンテスト 今回の入選・入賞者にはこのコンテストでの受賞者が多い。岩野氏の他には同じ優秀賞に道田真司氏「Cherry age」、佳作に橋本大七氏「THE NAKED APE」がある。また昨年の入賞者では最優秀賞に丸山薫氏「吉野の姫」、外伝入選者では佳作に青木純氏「おしるこ」がある。 |
| エンターテインメント賞:KAN氏「放課後決闘クラブ」(東京会場) |
| 使用ソフト:3dx Max、AfterEffects、Photoshop |
作者ご本人の意図は異なっていたが、ロボットが登場する作品がまた増えてもいいかとも思った。 |
かまた まず、えー、昔の話になるんですけども、第10回のコンテストで「超獣ロボ リューセイバー(注2)」っていう作品が賞を取りまして。このコンテストで。その出来が非常に良かったために、なかなかロボットアニメの、ロボットバトルアニメのジャンルでこのコンテストに応募してくる方がずっといらっしゃらなくって、ロボットアニメはやり尽くされた感があるなぁ等と言われてました。えー、ロボットアニメ、本格的なのがこれで9年ぶりの応募というような感じなんですけども、まず「超獣ロボ リューセイバー」、ご覧になった事ありますか?
KAN えっとー、ネット上で、CG(アニメ)コンテストの映像を見たのみですね。
かまた あ、そしたらほんの数秒って事ですね。
KAN そうですね。全編見た事はないです。
かまた 今そのロボットアニメってのがちょっとこのコンテストでは衰退してたんですけども、敢えてそういうのを狙ったって意図はある?
KAN 全てのこの質問に水を差しちゃうようなんですけども、自分としてはその、始めからロボットアニメというものを作る気は全くなくてですね。本当に一番言いたかったのは、青春の1ページというものを描きたくて。設定を自分で語っちゃうのもおかしいですけど、これはロボットアニメじゃなくて本当に、あの、武術系のクラブ、格闘クラブっていう部活動の試合の1シーンという風に自分では捉えていて。なので、これはロボットではなくて本当にユニフォームみたいな感じなんですね試合の。で、もう、とりあえず色々作っているうちに、やっぱりどうせならカッコいい方がいいなぁという思いも強かったので、色々素敵なデザインを参考にしようと思って、そうですね、あのー“新世紀”のアニメーションとか“機動戦士”的なものを参考にしていたらどんどんロボットっぽくなっちゃったんです。
かまた そしたら真ん中の戦闘シーンの方がむしろ後付けって事ですか?
KAN そうです。えっとー、戦闘シーンはどちらかというとやりたかった事というか、挑戦したかった事で、やっぱ自分もアニメとか色々よく見るんですけど、その中であのー、こうした方がカッコいいんじゃないかとか、こうした方がもっと良くなるんじゃないかなとか思う部分に於いて、じゃあお前作ってみろよ!って風になった時に、作った事がないから口ばっかりみたいなのも嫌なんで、じゃあ作ってみますか、って感じで自分だったらこういう風に形を作ります、っていう感じの提案だったんですよね。で、自分がやれる事の中で一番、その、楽しいとかカッコいいとか、そういう価値みたいなものを見出せるのがアクションの多い格闘だったりとか、あと、自分でこういうのもなんですが、あのー、自分でこういうのをやりたいのになという時に、やれる事を一番やれる形で今回みたいな何でもアリのスーパーアクションみたいなものになった、っていうだけで、そういう意味ではどっちとも重要なんですけども、どっちかというと後付けかも知れません。
かまた この作品、2、3分の非常に短い作品にも関わらずかなり設定が作り込まれていて、それが敢えて何の説明もされていない、この決闘クラブがどういうクラブなのかも説明されてないんですけども、この設定部分を全く説明しないってのはある程度意図的なものなんでしょうか?それとも、もともと本当はもっと尺の長い話でそういう設定を解説する部分もあったんだけど単に作れなかったよ、という感じなんでしょうか?てゆうかもともと設定自体はかなり細かく作られているんですか?
KAN うーん、設定が細かくってのがどのレベルなのか分からないですが、とりあえず自分が作る上で必要な分までありますが、この映像作品を作ろうと思ったキッカケが、ちょっとさっきのとカブっちゃうんですけど、“新世紀”のアニメーションとか映画の予告の宣伝、テレビ宣伝で見た時に、あの、第九のクラシックミュージックに乗せてシーンがカッコよく繋がってたんで、単純にその15秒くらいの宣伝がカッコよく見えて、ああ、いつかこういうクラシックのミュージッククリップを作ってみたいっていう…。
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注2:超獣ロボ リューセイバー 渡辺哲也氏制作。第10回で準グランプリを受賞。最近はテレビシリーズ「コードギアス 反逆のルルーシュ」で3DCGディレクターを務める等で活躍中。 |









