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漫画からアニメーションへのシフト

クリエイター岸本真太郎氏インタビュー

「ヤツが来た」。各所での受賞発表ではそう囁かれて止まない(?)キラーコンテンツにしてコンテストキラー「tough guy!」シリーズ。コンテスト行脚が一段落した(と思われる)作者の岸本氏に伺ってみた。

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「tough guy!」 (c)2003 Shintaro Kishimoto

個人で作品を制作する場合、いわゆる同人活動を行うかコンテストに出すかの2択になり、あたかも住み分けされているかのような語られ方をしてしまいがちだ。いわゆるアートでもデザイン・フェスタGEISAIがあるし、コンテストも言ってしまえば同人活動の形態の1つに過ぎない。そこでまた思い出して頂きたいのが5月の第18回CGアニメコンテストで代表のかまたゆたか氏が述べた仮説、同人誌からアニメーションへというセオリーだが、岸本氏も該当しなくもない。かなり稀有な例として。


岸本真太郎氏主要受賞歴 http://to-solt.hp.infoseek.co.jp/

漫画

1990 「愛のペットショップ」講談社アフタヌーン四季賞 準入選
1995 「ハートブレイカー」講談社アフタヌーン四季賞 準入選
1998 「愛のかたまり」集英社ALL MANGA PRIZE 佳作

アニメーション

「tough guy! 1&2」

2003 第2回デジコンフェスタ(現:クリエイティブフェスタ)横浜 グランプリ・来場者賞
2004 BroadStar Award 2004 グランプリ
2004 第16回CGアニメコンテスト エンターテイメント賞
2005 shockwave.com AWARD 2005  グランプリ

「tough guy! 3」

2005 第17回 CGアニメコンテスト 佳作

「tough guy! 2005」

2005 ジャパン・デジタル・アニメーション・フェスティバル(JDAF) 2005 グランプリ
2005 アジアデジタルアート大賞(ADAA) 2005 動画部門大賞・文部科学大臣奨励賞
2006 第60回毎日映画コンクール 大藤信郎賞
2006 東京ビデオフェスティバル2006 優秀作品賞
2006 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2006 短編部門奨励賞
2006 第1回札幌国際短編映画祭 国内作品賞

他、ノミネート・上映歴多数


真狩 どのような子供時代を過ごされてましたか?

岸本 生い立ちからですか。基本的には外で遊ぶ子供でしたね。本を多少読み出したのが中学校くらいで、それまでは家でブロックを作ってました。それ以外は大概外ですね。田舎でしたので、モグラ捕まえたりコウモリ捕まえたりして…。

真狩 カマキリは…?

岸本 いや、カマキリは特にないですね。一番惜しかったのは白ヘビなんですよ。山口県、岩国に近かったのでそのせいなのか知りませんけど、もうちょっとの所で逃がしたのが惜しかった。

中学からは割とスポーツ系。バスケットやって。アホみたいに厳しいクラブでみんな丸坊主。騙されて入っちゃったんですけどね。髪伸ばしていいとかじゃなくて柔道部物語みたいな感じで…。

服部 バスケなのに丸坊主(笑)。

岸本 丸坊主。もう死にましたよ。3年間なんとかやって俺は2度とスポーツ部には入らないと決心して高校は美術部。進学しようと思ったけど家の事情でそれどころじゃなくなって。そこからですね。焼き鳥屋さんとか、屋台やったりとか始めたのは。で、そのままずっと漫画描いたりとかして、そんな調子で生きてます。

真狩 その間にレンタルビデオ屋も…。

岸本 あれは丁度漫画で連載を始めてた時ですね、それからちょっとずつしかお金が入らなくなったので何とかしなきゃと思ってビデオ屋でバイトし出してそのままズルズルと10年くらいいてしまいましたね。

真狩 パソコン買ってソフト買う事になったのは…?

岸本 まずはヨメさんの会社がですね、自分とこの会社で使ってたのを安く社員に売る…。

真狩 ああ、社内販売。

岸本 そう。で、使ってみようかと。それと同時くらいに店(ビデオ屋)のレジがパソコンになっちゃったんですよ。Windowsとか覚えなきゃいけなくなったんでそのまままず文字を打つ練習から始めて、そのうち絵も描けるんだこれという感じでどんどんエスカレートしていったと。だからまともにどっかで習ったとかそういう事は1回もないですね。パソコンから3Dのソフトに至るまで。ある意味いい加減にやって来てますね。

真狩 そしたら漫画を描かれてた頃はアナログ…。

岸本 ですね。パソコン使う前までというか、去年まで携帯電話を持ってませんでしたから。それまでは本当にアナログでしたね。漫画ももちろん手で描いてたし。本当に偶然にパソコンを始めたって感じですね。

服部 ご自身が漫画を描かれてたのは確実にプラスになってますよね?

岸本 なってると思います。ネタとコマの割り方と。漫画って自由なんですよ。2次元で1コマで表現しなきゃいけない事が多いんですけど、実際のカメラでは物理的に不可能な構図がいっぱいあるんだけど、漫画は違うじゃないですか。絵で描いてしまえば、どんなものでも描けてしまえば出来るんで、それが3Dを使えば、3Dのカメラを使えば出来てしまう。実際のカメラでは出来ない構図だとか表現だとか。そういう意味で役に立ってるんじゃないですかね。

服部 漫画家でやってこうって思われなかったですか?

岸本 それまでもトラック乗りながら描いてたりしたんで、そこまでは食ってこうって野望があったんです。ひょっとしたらなれるのか?と思ったけど、それから先は食えなくなってきて、ちょこちょこ扉の仕事だとか、アシスタント系とか、そういうのはあるんですけど。それじゃいかんと思って、少しは楽な仕事にしてネタを練ったりしてました。

真狩 事務処理から絵まで行くんですけど、そこから更に映像までという飛躍の仕方はしないと思いますが、どうですかね?

岸本 どうなんですかね?最初はパソコン覚えるので精一杯で。メールとかで字とか書き始めて、ほらあれついてるじゃないですか。ペイントでしたっけ。おお、こんなのまで出来るんだと。そのうちに、次はなんだろう?動画に行っちゃったのかなもしかして。

真狩 いきなり。PhotoShopとかじゃなくですか?スキャナーとかについてる…。

岸本 ああ、PhotoShopとか簡単なのがついてたのか何なのか知らないけど、何かもうちょっといいのが出て。まぁ、もともと漫画描いてたんでそういうのの真似事みたいにやりはしましたね。でも、その期間ある意味ちょっと長いのかも知れませんけど。色々平行してやってるんで確かではないですが。それから動画ですかね。知り合いが丁度3Dの学校行ってて、若い人なんですけど、今、自分はこんな仕事してるんですと言って。お、もうこんなに動くんだと。それから奮発してソフト買いましたけどね。LightWaveを。

服部 LightWaveはバージョン8ですか?

岸本 ええ。まだバージョンアップしてないんで。他のソフトはAfterEffectsで編集してPremiereで音を入れて。LightWaveを選んだのは安いからです。

真狩 その間にパソコンも何台か買い換えてませんか?

岸本 一番最初の、「tough guy!」で言えば1を作ってる途中までは凄くスペックの低いパソコンだったと思います。CPUはCeleronの400いくつとかそんなもんだったですね。それからもう1台買って、それが「tough guy!」を作り上げたメインマシンなんですけど、それだって多分2ギガとかないですよ。1ギガとか。だからレンダリング時間は滅茶苦茶かかるんですね。昼起きてる時も夜も必ずかけて寝るみたいな感じで。

真狩 それでも実写合成までやろうとは…。

岸本 楽だと思ったんですよ。コンテというか脚本さえ変えていけば。全部作っちゃうととんでもなく労力がかかる。特にリアルにしようと思うと。だったらもう写真使って、角度を調節すればリアルな感じにしなくちゃいけないってのはそんなに多くは無いんですよ。

真狩 ビデオカメラはどんなのを使われてます?あと三脚。

岸本 今度買うんですけど今のところこれだけです。(スチルの)デジカメ。昔の型のですんで、640×480のが約8秒くらいしか撮れないですね。三脚もあるんですけど、実際に使った動画は手で撮りました。僕、意外と動画使ってないんですよ。

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