【3】かくして歴史は紡がれる
ソニー・ミュージック・エンタテインメントが1993年から開催したデジタル・エンターテインメント・プログラム(終了)や同コンピューター・エンターテインメントが95年から開催したゲームやろうぜ!(2006年復活)等とも重なってくるが、その頃既に第一線で活躍、また草分けとなったクリエイターもこれまでのCG carnival及びクリエイターズワールドに参加していた。今回、企業として出展している各ブースを引き続き見て行く。

クリエイターズワールド入口の手前側で2小間構えるカナバングラフィックス。只今公開中の映画「ナイスの森」にも制作参加した。
カナバングラフィックス http://www.kanaban.com/
(富岡聡氏)「営業、新作告知が目的で出展しております。ブースで上映している『ウサビッチ』は弊社初のシリーズ作品になります。5月より携帯やCS放送等、多展開を予定しております。」
いち早く上映されていた「ウサビッチ」に子供達の目が釘付けだった。ゲーム「Exit」で制作したバイラルCMが、このほど週間アスキー連動企画第5位となった。これまたアヌシー国際アニメーションフェスティバル2006にノミネートされている。

白組ブースの裏手に位置する神風動画。4月20日に発売されるゲーム「ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン」の作中ムービーを制作している。
神風動画 http://www.kamikazedouga.co.jp/
(水崎淳平氏)「今年は顔出しですね。来年以降も絶えず出展したいところですけど、これぞという時に力を入れたいです。年に1回の見せ場ですので、スタッフに気を引き締め、責任感を持ってもらう意味合いでもあります。次は自分達のオリジナルの作品を制作する時間も意識して動こうと考えています。」
オリジナル作品としてはロボットアニメ「神次元合体トライゴッド」を制作中で、ブースで流れていたそのオープニングムービーの主題歌は水木一郎氏という気合の入り方だった。

白組の隣に位置するケイカのブース。クリエイターズワールドと対面だ。ゲーム「RIDGE RACER」シリーズのムービーで知られるが、世界水泳選手権大会福岡2001のCM(歌:B'z「ultra soul」 声:深田恭子)で思い出す人が多いかも知れない。
(由水桂氏)「昨年は個人として出させて頂きましたが、今回は会社のプロモーションです。ゲーム内のアニメとオリジナルを展示してます。オリジナルをとにかくやりたいですね。2年前に「あめふりゆうれいのさがしもの」を制作しましたが、それよりも内容の濃いエンターテインメントを次回で。」
写真にも見える「あめふりTシャツ」はケイカのサイトでも通販しているので興味のある人は是非。

ケイカの裏手に位置するPIX。PIXの参加者には上記の由水氏他、歴代のクリエイターズワールドにそれぞれ参加してきたクリエイターも属している。
(うもとゆーじ氏)「手作り感と学園祭ノリで(笑)。今年の冬もイベントやります。DVDもVol.4を出しますので宜しくお願いします。iTuneさん、GyaOさん、PIXはいかがでしょうか…(笑)。」
このさりげない売り込みが侮れない(笑)。プロの自主制作集団の今後に要注目である。

PIXの裏手に位置するオフィス・ガナゴナ。PIX vol.3に「モンスターブーツ」で参加した。DoGAのCGアニメコンテストでもお馴染みだ。
オフィス・ガナゴナ http://www.ganagona.com/
(山田カズミ氏)「装飾は質素にして作品重視にしました。CG長編ミュージカルを制作したいです。ディレクションももちろん自分で。」
もちろん歌も曲も自作であり、ライブ活動も行っているだけにミュージカルは頷ける。新海誠監督「雲の向こう、約束の場所」の某シーンで流れている歌もそうだったりする。

2004年よりASIAGRAPHを開催しているアジアグラフィック。昨年は愛知万博内でも開催した。今年の参加者には前出の花房氏や由水氏もいる。
アジアグラフィック http://www.loftwork.com/AG/
(喜多見康氏)「仕事ではイラストレーターとしてキャラクターを提供してきました。今回は横浜でGWに開催するアジアCGアートの祭典ASIAGRAPHの告知で出展しています。優れたアジアCG作品を大勢に見てもらうまたとない機会です。」
今回のクリエイターズワールド参加者作品の展示上映もあるそうなので、4月26日〜5月6日の会期中に神奈川県民ホールギャラリーに行ってみるとよいだろう。詳しくは上記リンク先まで。

最後はDLEのブースで展示しているスプーキー・グラフィック。WEB担当の竹内氏とイラスト担当の梅北氏に伺う事が出来た。
スプーキー・グラフィック http://www.spooky.tv/
(竹内良介氏、梅北稔博氏)「昨年クリエイターズワールドに出展し、DLE社に興味を持って頂きました。今回は、Flashを使用したアニメーション等を同社と共同制作し、同社のスペースをお借りして出展しました。今後は、独自としてもアニメ『Spooky』の制作を進めて行く予定です。」
共同制作したのは「Spanish Joe」という作品。押井守監督作品にも関わった映像担当のハヤシヒロミ氏、印刷物担当の藤澤富雄氏との4人が構成メンバー。今後の活動も気になるところだ。



このほど放送開始となったTVアニメの記者会見も行った蛙男商会の展示もあるDLEのブースの隣はコミックス・ウェーブ。第5回東京アニメアワードでは同社プロデュースの竹内謙吾氏制作「はなれ砦のヨナ」がオートデスク賞を受賞した。また、2回目となる特別功労賞の表彰も行われたが、その大御所受賞者達の列席から個人制作方面にも関わってくる大いなる流れの一端も見え隠れしていた。
以上ここまでざっと見てきた。一見雑然としていてまとまりがないかも知れない。しかし、どこかしらでクリエイター同士で接点が生じているのが何となく分かるだろう。さながらクリエイター現代史を辿るツアーだ。
今回を契機に各クリエイター達に今後、どんな展開が待っているだろうか。また、開催初日に早くも来年の開催日程が発表されたので今から楽しみである。
協力:東京国際アニメフェア実行委員会、LIGHT YEARS PRO.
(取材・文・写真 / 真狩祐志)









