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インディーズアニメ現状分析レポート

=個人制作アニメは市場を確立できるのか=

近年、盛り上がりを見せるインディーズアニメ業界。livedoorネットアニメでもその動向に注目しているが、果たしてクリエイターやプロデューサーなど業界の人間は現状をどのように見ているのだろうか。今回は2つのイベントレポートを通じて、インディーズアニメの今をお伝えしよう。

■「自主制作アニメーションの将来的可能性」(第4回インディーズアニメフェスタ)

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2006年2月25日、三鷹の森アニメフェスタ2006の一環としてアマチュアアニメーション映像祭「インディーズアニメフェスタ」が開催された。今回で4回目を迎えるこのイベントは、アニメーション業界の活性化を目的に東京都三鷹市とNPO法人コミュニティー・サポーターズの主催で行なわれ、今年は国内14作品、海外5作品の合計19作品が上映され好評を博した。

今回はその中から「自主制作アニメーションの将来的可能性」というテーマで行なわれたシンポジウムにスポットを当てて紹介する。シンポジウムではインディーズアニメーションレーベルPIXの城戸孝夫氏が司会を務め、森下勝司(プロダクションアイジー)、いしづかあつこ(マッドハウス)、ロマのフ比嘉(フリー)、ルンパロ(move on web.実行委員会)の各氏をパネリストに迎えてのディスカッションが行なわれた。

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冒頭、Japan Web Anime Convention (Jawacon)等を主催し海外のコンベンションの経験も豊富なルンパロ氏より業界が抱える課題が提起された。

ルンパロ

「PCの性能向上とアプリケーションへの理解向上によりクリエイターが作品を作りやすい状態になってきた。ただ、作っても何にもならない状況ではダメで、業界としていかに市場を作り出せるかが重要と考えている。海外でも衛星放送などでの空き枠は沢山ありそこでインディーズの映像を流そうという試みが出てきている。一方で日本は他のどこよりもメジャーが確立してしまっているために、2極化、すなわちメジャーとインディーズの境目がはっきりし過ぎてしまっているのだが、もう少しインディーズの方に目を向けてもよいのではないか。インディーズからも商業レベルの作品は出てきているので、いかにビジネスとして展開できるかが今後の課題ではないか。」

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それに対し、1997年の第9回DoGA CGアニメーションコンテストでグランプリを受賞しデビューしたロマのフ比嘉氏は当時と現在とを比較し、DVDという収益源登場の持つ意味を指摘した。

ロマのフ比嘉

「10年前に賞をとった時と比べて一番かつ最大の変化点はDVDの登場。以前はビデオテープでの発売しか方法がなく価格も1万円以上と高価な商品にせざるを得なかったが、Play Station 2 の登場で一般家庭でもDVDが見られるようになり、映像は『ビデオを借りて見る』から『DVDを買って見る』という時代に変化した。このように作品が『売れる』ようになったことは非常にエポックメイキングな出来事と捉えている。

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一方、株式を公開し業績も好調なプロダクションアイジーの森下勝司プロデューサーからは早くもDVDの『次』のメディアを確立する必要性が、ルンパロ氏からは新たな流通手段の検討の必要性が訴えられた。

森下勝司

「メジャーとインディーズのボーダーレス化の進行を感じている。音楽だとある程度その両者の違いを認識しやすいが、映像だと個人の方でも商業レベルの作品を制作しDVDを自ら焼いて販売できる世の中になってきている。現在、国内では月間で百数十本のアニメが作られており、商業アニメと言えどその中で人気を勝ち取らなければならず簡単にビジネスとして成立するわけではない。すでに業界全体でDVDの売れ行きに陰りが見えてきており、大変危機感をもっている。メジャーと言えど次のメディアを模索していかないと生き残っていけない時代だと認識している。」

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ルンパロ

「気になるのが日本は全てが流通主導ということだ。メーカーが販売数を伸ばすために、コンビニで1980円などのダンピング価格でDVD売っているのが長い目ではマイナスに働くことを危惧している。日本の会計制度が単年度決算であることの影響もあるかと思うが、他の国では国家プロジェクトとして長い目での産業育成を考えているので、日本でも何らかの手を打つ必要があるのではないか。

また昔と比べて、消費者が面白いものを自分で探すのではなく情報を受身的に与えられる世の中になってしまっているため、メジャーが宣伝に力を入れている作品しか消費者の目にとまらないのが現状。インディーズの作品はクオリティが上がってきているにもかかわらず、中々見出してもらえず、情報に偏りがあると言えるだろう。自分自身、その現状の打破に向け既存の流通を通さない形でのビジネスを検討しJAWACONを開催しているが、例えば一例として『この会場に行かないと買えない』という場を作って売ってしまうのも一つの手ではないか。」

各出席者からも「漫画のコミックマーケット、ガレージキットのワンダーフェスティバルなどの展示即売会のようにインディーズアニメの市場を生で感じされる場が必要」(ロマのフ比嘉)、「固定ファンの顔が見えることもクリエイターには重要」(城戸孝夫)など同意するコメントが寄せられた。

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また一昨年の第2回インディーズアニメフェスタで受賞し現在はマッドハウスでテレビアニメの演出を手がける若手クリエイターいしづかあつこ氏も以下のように語った。

いしづかあつこ

「テレビアニメの制作スケジュールの中で良い作品を作りたいというクリエイター精神を保ち続けることは簡単ではないが、自分の作品が評価されることがモチベーションにつながる。しばらくはマッドハウスで実力を磨き、また機会があれば個人制作にもチャレンジしたい」

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今回のようにインディーズアニメ業界のクリエイター、プロデューサーが一同に会し真剣にディスカッションする場は大変貴重であり継続開催が期待されるところである。次回については以下を参照されたい。

インディーズアニメフェスタ公式ウェブサイト
http://www.iafesta.jp/

NPO法人コミュニティー・サポーターズ
http://www.comsup.jp/

■「FLASHアニメーションの進化」(CGカーニバル スペシャルプログラム)

続いて3月3日、東京都写真美術館において表題イベント「FLASHアニメーションの進化」が開催された。文化庁メディア芸術祭協賛事業として行なわれた今回のイベントには定員を上回る来場があり入場制限が出るほどの賑わいを見せ、改めてFLASHアニメの人気の高まりを感じさせる結果となった。

当日はFLASHアニメの上映に併せてトークショーが開催され、現在のインディーズアニメ業界についてクリエイターから「企業に頼らず自分たち独自での映像制作が実現できるようになった」との率直なコメントが寄せられた一方、漫画業界に詳しい編集者の竹熊健太郎氏は次のように述べた。

竹熊健太郎

「スタジオ制作のアニメと違って個人レベルで色々なものが作れるようになってきたことは望ましい。個人アニメの表現技法がコマ割など漫画の制作にも影響を与え、今後はその両者が融合に向かうのではないか」

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FLASHという表現ツールが世に出て10年。PCにおけるFLASHプレイヤーの普及も進み、携帯電話でもFLASH作品を視聴できる環境が整いつつある。一方で前述のインディーズアニメフェスタを見ても、応募される作品において一時全盛であった3DCGは鳴りを潜め逆にFLASHアニメの比率が増加してきており、FLASHというツールへの支持はなお高まりつつある。果たしてこのような状況の中でインディーズアニメの代表作「ほしのこえ」「スキージャンプ・ペア」などのヒット作品をFLASHが生み出せるのかどうか。

業界は今、竹熊氏のいうところの「10年に1回か20年に1回かの面白い状況」を迎えている。

参考資料
FLASHアニメーションの進化 10年史年表

協力:NPO法人コミュニティー・サポーターズ、アドビシステムズ株式会社、move on web.実行委員会

(取材・文・写真 / 株式会社ファンワークス)  

更新スケジュール

2008-10-22:
プロ作品【モフ☆モフDVD発売記念映像】公開予定!
2008-10-22:
プロ作品【やわらか戦車16】公開予定!
2008-11-04:
プロ作品【いぬかい部長16】公開予定!
2008-11-07:
プロ作品【くわがたツマミ60話】公開予定!
2008-11-11:
プロ作品【MoonBoon5】公開予定!
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