5月5日及び19日、第19回CGアニメコンテスト入選作品の上映会が行われた。今回は少々難儀な問題を孕んでいるところにも敢えてスポットを当ててみた。

CGアニメコンテスト公式ウェブサイト
http://doga.jp/contest/
初回でも使用ソフトについて触れた。どうしてそれが分かるのかというとありがたい事にCGアニメコンテストのサイトの各入選作品紹介には使用ソフトが明記されているからだ。前回までの座談会でも付記しているので、ネトアニでいうところの「動画アニメ」の多様性はお分かり頂けたと思う。
■「Flashアニメ」と「動画アニメ」の見分け方は?
今回注意点として見出しにも含めてみたが、まず、ネトアニでも配信されている作品で外伝入りしているのは次の2作品。ご覧になってる人は多いとは思うが、まだの人は一度ご覧になってみて頂きたい。
・谷口崇氏「森の安藤」
・ヨシダケ氏「猫と猫の餌と猫好きな私」
ここで何故だか申し訳ない気持ちにさせられてしまうのだが、実は上記2作品はFlashアニメではない。Flashアニメだと思っている人が少なからずいるようなのだが、そもそもFlashを使用していないのである。谷口氏もヨシダケ氏も描画にPhotoshop、動画にAfterEffectsを使用している。この2作品からは見た目ではFlashを使用していないと断定しにくいのだが、谷口氏の今回の入選作品「むきだしの光子」やヨシダケ氏が第16回に初心者部門入りした「コネコネコ」には、それぞれFlashには実装されていないエフェクトが使用されている(作品毎に異なるソフトを使用するクリエイターもいるにはいるけれど)。またFlashっぽい動きをつける事はAfterEffectsでも当然出来てしまう。
先にFlashで作ったかどうかの見分け方があるのかの結論を言ってしまうなら、見分け方は「ない」。明らかに3Dで制作したと分かる作品やテレビや映画のアニメの場合は反射的にFlashアニメと言ってしまう人はまずいないのだが(動画の配信にFlash形式(flv)を使用している場合は、それっぽく処理されている作品によっては言ってしまう人もいるらしい)、個人レベルで自分のサイトなりでWeb配信している作品、特に2Dのクリエイターは「受難」で、例えば青木純氏の2D作品やかみやろん氏等も無関係ではない(3Dで制作しているロマのフ比嘉氏も勘違いされてしまう場合がある)。クリエイターの中には再三の「Flashアニメ凄いですね!」とかいうメールや掲示板への書き込みに、ここ数年余りウンザリしている人もいるのだ。
これまではFlashアニメと言えば配信に使用しているファイル形式はswfだという見分け方があったが、これも結局Flashを使用して制作されているのが分かっているという前提でしかなかった。対応している3DソフトやAfterEffects等からswfに書き出されたり、逆にFlashに持ち込んで完成させている作品もあり、閲覧側のリテラシーを上げるとかでどうにかなるようなものではない。動画配信やポッドキャスト等で別のファイル形式に変換される場合もあるためにややこしく、結局のところFlashを使用したかどうかは制作者本人に聞かないと分からない。Flashで制作しているクリエイターのサイトにはFlashアニメ云々と明記されてる場合が多いが、過ちを回避する方法としてはクリエイター自身の自己申告に頼るしかないのだ。
それもこれもFlashという言葉が独り歩きしている結果でしかないのだが、個人で作品紹介のブログなりサイトなりを運営している人も「なんかこれ見た感じFlashアニメっぽいからFlashアニメでいいや」とかいうのは止めて、是非その辺りに配慮し、制作したクリエイターに失礼のないようにして頂きたいものである。
■「動画アニメ」の多様性に見る使用ソフトの多様性
上記とも関連しているのだが、完成した作品のテイストが人によって似通っていたとしても、制作に使用したソフトが全く異なっているのが普通だ。以下に外伝のみでなく入選・入賞と初心者部門も含めて今回使用されたそれらのソフトを列記してみた。
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使用ソフト一覧 |
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Softimage XSI |
改めて見ると、値が張るものから無償のものまでバラエティに富んでいるのがお分かり頂けるかと思う。3Dと2Dと編集とでざっくりと分けようかとも思ったが、あくまでもそれらを使用して完成させたという意味合いに重点を置くなら、3Dの場合でもテクスチャーという建物や人物等の質感を表現するためにそれらの表面に貼り付ける2D情報が存在するだとか、撮影・編集でもそれぞれのソフトでデータのやりとりは行うだとかいう観点から、総体的に捉える方がよいと思うので割愛した。
気になるところをかいつまんで少々述べてみる。Poserはみやかけお氏も使用しているソフトで、登場人物の制作に使用している(その下のMimicは口パク用のソフト)。マリオアーティストシリーズは知ってる人も多いとは思うが、ゲーム機であるNINTENDO64用のソフトで、同じものを使用した例に第13回に佳作だった辻恭平氏の「Mai may mind!」がある。RETAS!は業界では標準で使用されている2Dアニメーション制作ソフトだ。2003年にRETAS!を開発しているセルシスがテレビアニメをWeb配信するために、Flashを開発するマクロメディア(現:アドビ)とラスター・ベクター互換で連携を図るとの話があったが、現在のFlashの動画サポートぶりをみるからにその必要はなくなったように思われる。
協力:PROJECT TEAM DoGA
(取材・文・写真 / 真狩祐志)









